子宮頚がん×子宮体がん

  • 子宮頚がん×子宮体がん

子宮頚がんCervical cancer

子宮の下部分を子宮頸部といいますが、そこにできるがんです。最近は20~30歳代の若い女性にも増えてきています。

原因

ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染によるもので、性交渉により子宮頚部に感染します。H P Vはありふれたウイルスなので、性交渉を経験した女性の80%ほどで生涯一度は感染するといわれていますが、感染しても約90%の人は自分の免疫力で排除できるといわれています。

そのため、感染したからといって全員ががんになるわけではありません。約10%の人でウイルスを排除できず持続的に感染し、そのうちの一部の人で、異形成と呼ばれる状態になり、その後、上皮内がん、浸潤がんに進行することがあります。

症状

初期では自覚症状がありません。病気の進行に伴い、月経以外の不正出血、性行時出血、おりものの増加などが見られる場合もありますが、必ず決まった症状が出るともいえません。早めに対処すれば治療法がありますので、定期的に検診を受けておくことが大切です。

子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)

子宮の入り口をブラシなどで擦って細胞を採取します。顕微鏡で異形成細胞やがん細胞を見つける検査です。結果が出るのに1~2週間かかります。性経験のある方では、不正出血などの症状がなくても、1年に1回は子宮頸がん検診を受けることをおすすめします。

H P Vワクチンは有効な予防方法ですが、全ての子宮頸がんを防げるわけではありませんので、ワクチンを接種した方でも検診は必要です。

当院では、スクリーニング検査は可能ですが、すでに異常値が出た方の精密検査は行なっておりません

子宮体がん(子宮内膜がん)Endometrial cancer

子宮の上部分を子宮体部といい、そこにできるがんです。ほとんどが子宮体部内腔に存在する子宮内膜というところに発生するため、子宮内膜がんともいいます。子宮体がんの約80%がエストロゲンの長期的な刺激と関連していると考えられているため、出産経験がない、生理不順、肥満、閉経が遅い、卵胞ホルモン剤だけの治療を受けていた、などの場合にリスクが高くなるといわれています。がん関連遺伝子の異常に伴って発生するともいわれています。発症する年齢としては、子宮頸がんに比べて高い年齢の方に多く、40歳代以降の方では注意が必要です。

症状

主な症状は不正出血です。発症が多い年齢は更年期から閉経後の年齢で多いため、このような時期はどんな方でも不正出血が起きやすい時期ではありますが、子宮体がんが隠れていないか、念のためみておく必要があります。

子宮体がん検診(子宮内膜細胞診)

子宮の内部に細い棒状の検査器具を挿入して細胞を採取し、顕微鏡で異型細胞やがん細胞を見つける検査で、結果が出るのに2週間ほどかかります。検査は外来で可能ですが、子宮の奥に検査器具を挿入するため、腹痛や出血を伴います。

この検査では、閉経前後の方や出産経験のない方などで、子宮の中まで器具を挿入することが難しい場合や、細胞が採取できない場合があります。その場合、超音波検査でも子宮内膜の状態を確認しますが、初期のがんは検出できない可能性があります。症状が続く場合は、さらに詳しい検査が必要となります。

当院では、スクリーニング検査は可能ですが、すでに異常値が出た方の精密検査は行なっておりません