中絶薬

中絶薬Abortion drug

「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」という2種類の錠剤を組み合わせて服用することで、人工的に自然流産と同じような子宮収縮を起こすものです。副作用として、膣内の出血や腹痛、吐き気などが起こる可能性があり、鎮痛剤を併用します。

早期(妊娠7週目)の中絶であれば、95%以上の確率で中絶できるとされています。約500人に1人の割合で、追加で中絶手術を必要とする可能性があるといわれていますが、これはペニシリン使用後に「アナフィラキシーショック」が起こる危険性と同じくらいごく稀にしか起こりません。中絶薬は、WHO世界保健機関が「女性の体と心への負担がより少ない」として、推奨している方法で、WHOの必須医療品(※1)にも指定されています。

1988年にフランスと中国で初めて認可されました。その後、アメリカ医師会は「従来の手術による中絶より安全性が高い」と認可を求め、2000年頃からはアメリカの他、広い世界で普及し、現在、イギリス・スウェーデン・オーストラリア・タイ・台湾・インドなどを含む、60以上の国と地域で認可されています。日本は世界に遅れてやっと2023年4月に中絶薬の承認を得ました。

今回、日本で中絶薬が承認されたことの意味は、女性の選択肢が増えたということです。世界では30年以上前から安全に使用されていた中絶薬が日本では長い年月使用できず、手術一択しかありませんでした。 今後は日本女性が命の危険をおかして海外の中絶薬を自己判断で使用する必要もなくなりました。

資格を持った医師が中絶の選択肢やリスクを説明したうえで、その女性にとってのベストな選択をすることができるようになったということは、リプロダクティブ・ライツという視点からも日本が一歩前進したと考えられます。

今後、日本の中絶医療が世界水準まで高まる様、中絶を扱う産婦人科医としてその一端を担えたらと思っています。

料金

中絶薬+処置78,000円(税込)
万が一、中絶手術が必要となった場合の処置代も含まれた一律の料金です。

※内服前の検査(エコー、採血)・カウンセリング代として11,000円(税込)がかかります
※中絶薬の処方は田町院で行います

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それぞれにメリット、デメリットがあるためご自身のお身体や環境なども考慮したうえで選択してください。

しかし、世界的に「女性への負担がより少ない」と認められている中絶薬が、今後は日本でも承認され、正しく使用される日がくることを心より願っています。
(※1)大多数の人が健康を保つために必要不可欠で、いかなるときでも必要とするひと誰にも、「適切な供給量・投与形態」でアクセスできる価格で提供されるべきもの。

無痛中絶手術について

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