細菌性腟症

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細菌性腟症 Bacterial vaginosis

腟内にはもともと多くの常在菌が存在していますが、主にラクトバチルス属(乳酸菌)が腟内を酸性に保つことで、雑菌の侵入を防ぐ働きをしています。
ストレスや体調不良等により免疫力が低下すると、ラクトバチルス属が減少し、これに伴い膣内に種々の菌(大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌等)が異常増殖し、種々の細菌のバランスが崩れた状態を細菌性腟症といいます。

症状

約半数は無症状ですが、帯下増加、下腹痛、不正出血などがみられることがあります。

診断

膣分泌液検査で、菌の検出を行います。結果が出るまでには1週間ほどかかります。

治療

膣内には自浄作用があります。生理食塩水による膣洗浄は症状緩和に有効といわれていますが、頻回の膣洗浄は膣内細菌のバランスを崩すことがあるため、洗浄のために通院する必要はありません。

菌が検出され、症状もある場合にはメトロニダゾールの膣錠を使用します。以前はクロラムフェニコール膣錠が使用されることが多かったのですが、雑菌だけでなく膣に必要な菌まで殺菌してしまうため、日本ではメトロニダゾールが推奨されています。メトロニダゾールには内服薬もありますが、内服中と内服終了後3日間は飲酒により副作用が出やすいため、飲酒を避ける必要があります。