アフターピル(緊急避妊薬)
アフターピルについて
アフターピルとは、避妊が不十分な場合に内服するピルのことです。
避妊が不十分な場合とは、コンドームが適切に使用できなかった、ピルの飲み忘れがあったなどの場合です。
使用するピルは、以前はプラノバール(一般名:ノルゲストレル・エチニルエストラジオール)という中等量ピルを使用するヤッペ法が多く用いられていましたが、近年ではより避妊効果が高く副作用が少ないレボノルゲストレルという黄体ホルモンから作られたホルモン剤の使用をWHOも推奨しています。商品名はノルレボ(先発品)やレボノルゲストレル(ジェネリック)になります。
使用方法は、性交後72時間以内になるべく早く緊急避妊ピルを内服します。
ヤッペ法はプラノバール2錠を1回内服したあと、その12時間後に2回目の内服をしなければなりませんでした。しかしレボノルゲストレルは、1回1錠の内服をするのみでよくなりました。
しかしすべての妊娠を防げるわけではありません。
状況・場合や体質にもよるので一概にはいえませんが、確率的なことを言えば1割ほどは、緊急避妊法を行っても避けられない妊娠だと報告されています。
望まない妊娠で傷つくのは女性です。
低用量ピルや避妊リング(ミレーナ)を適正に使用し、計画的な避妊をしてバースコントロールをすることが理想です。緊急避妊法はあくまで緊急的な方法と考えていただければと思います。
出典:日本産科婦人科学会
避妊に失敗してから24時間以内に内服することをお勧めします。
Q&A
副作用はありますか?
プラノバールに比べてレボノルゲストレルの副作用は大変少ないですが、吐き気(2%)、腹痛などの胃腸障害(3%)、頭痛(1.38%)、不正出血(1.21%)、眠気などの神経系障害(2.6%)が報告されています。
内服後吐き気があり、内服してから2時間以内に嘔吐してしまった場合は体内に吸収されていない可能性がありますので、新しい錠を再度内服していただいたほうが安心です。
次の生理は予定どおりにきますか?
生理はずれることがあります。早くきたり遅くきたり状況により様々です。
不正出血することもあり、生理と区別がつかないこともあります。
アフターピルを内服してから3週間以上生理がこない場合や不正出血か生理なのか判断ができない場合は、念のため妊娠検査薬で確認していただくことをおすすめします。
他の薬と一緒に内服しても大丈夫でしょうか?
レボノルゲストレルは抗けいれん薬、HIV治療薬、抗結核薬、セイヨウオトギリソウ含有食品と一緒に内服するとアフターピルの効果は下がりますが、それ以外のお薬は一緒に内服できます。
プラノバールは多くの薬との飲み合わせが悪いので医師とご相談ください。